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熱可塑性エラストマーの動的粘弾性測定(低温領域から高温領域まで)
−弾性、粘性の温度依存性(2)−
熱可塑性エラストマーの動的粘弾性測定において、ガラス状態の低温側から軟化及び溶融状態の高温側まで、一つの測定方法(条件)では応力伝達等の点で限界がある。そこで、ガラス状態から軟化までをねじり治具を使用して測定、軟化から溶融状態までをパラレルプレート治具を使用して測定した。その両者のデータを重ね繋いで合成することにより熱可塑性エラストマーの低温領域から高温領域までのデータが得られた。以下にその測定例を図に示す。
- -60℃から軟化までの弾性率の温度依存性(図1)
- 60℃から約230℃の弾性率の温度依存性(図2)
- 図1と図2の合成曲線(図3)
1. -60℃から軟化までの弾性率の温度依存性(図1)
試料:非晶性ポリオレフィン
装置 | 溶融粘弾性測定装置 ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製) |
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ジオメトリー | TORSION 動的測定 |
SWEEP TYPE | TEMPERATURE STEPS 3℃/step Soak Time 1min |
周波数 | 10rad/sec |
ひずみ | 0.05〜2%AUTO設定 |
温度範囲 | -60℃〜測定限界 |
雰囲気 | 窒素気流中 |
図1:-60℃から軟化までの弾性率の温度依存性
2. 60℃から約230℃の弾性率の温度依存性(図2)
試料:非晶性ポリオレフィン
装置 | 溶融粘弾性測定装置 ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製) |
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ジオメトリー | パラレルプレート 25mmφ 動的測定 |
SWEEP TYPE | TEMPERATURE STEPS 3℃/step Soak Time 1min |
周波数 | 10rad/sec |
ひずみ | 0.05〜70%AUTO設定 |
温度範囲 | 60℃〜約230℃ |
雰囲気 | 窒素気流中 |
図2:60℃から230℃までの弾性率の温度依存性
3. 図1と図2の合成曲線(図3)
図3:図1と図2の合成曲線