P219
PP、PMMAなどの立体規則性評価
−PPの立体規則性評価−
ポリプロピレン(PP)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)は、側鎖の配列様式(コンフィギュレーション)により立体規則性を生じます。立体規則性は、高分子の物質特性を支配する結晶形態、結晶化度などの高次構造を決定する重要な1次構造因子の1つです。特に融点と剛性に影響が大きく、mmmm分率>90%のPPの場合、mmmm分率2%の差で、融点2℃、曲げ弾性率1,500kg/cm2の違いが生じます。この立体規則性の評価を13C-NMR法によって高精度に行うことが可能です。以下に、PPのペンタッド(五連鎖)立体規則性評価例を示します。弊社では、mmmmピーク分率について0.5%以内(mmmm≧95%のものについて)の精度を保証できます。
図1:ポリプロピレンメチル基の13C-NMRスペクトル
表1:pentad各ピーク高さ比を算出(mol%)
mmmm | 96.7 |
---|---|
mmmr | 1.1 |
rmmr | 0.2 |
mmrr | 0.8 |
mmrm+rmrr | 0.3 |
rmrm | 0.1 |
rrrr | 0.5 |
mrrr | 0.2 |
mrrm | 0.3 |