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ヨーロッパの将棋大会で優勝した話 - Netherlands -

No.509/2020.05
化学カンパニー・製品安全グループ/ 岡村 康之
画:クロイワ カズ

ドイツからスペインに約6年駐在し、昨年7月に帰国。その間、色々な経験をしましたが、最高の想い出はオランダ・ハーグでの将棋大会です。私は小学校時代に将棋を覚えましたが、熱中するようになったのは、大学からです。将棋部に入って本格的に勉強し、入社後も宇部市内の将棋道場で腕を磨き、アマ3段の実力になりました。ヨーロッパ駐在が決まった時は、将棋とはお別れ、せめてチェスでもー、という気分でした。

ドイツ・デュッセルドルフに着任して、日本クラブの将棋教室を知り、通い始めました。そこで、「ヨーロッパ将棋連盟」なる組織があると聞いてビックリ。将棋人口も2千人を超え、各地に支部があり、年に2回、ヨーロッパ選手権を開催しているとか。1度、ブダペスト大会に参加してみました。トーナメント戦で、7位でした。

翌年、スペインに転勤となり、バルセロナにも支部があるとのことで、早速訪ねました。駐在地のカスティジョンからは電車で2時間半。メンバーは殆どがスペイン人。大半が初心者で、私は師範格。遠いので時たま顔を出す程度でしたが、選手権には毎年参加していました。が、成績はあまりパッとしません。本格的な大会での最高位は2018年、ベルリン大会の4位でした。

翌年は帰国の年、3月にハーグで、「ショーギ&ビアー」大会があると聞きましたが、仕事が忙しくて諦めていました。当日が近づくと、何とか行けそう。急遽、主催者にSMSで連絡を取り参加を決めました。オランダに着いてみると、ここはビールの国。お祭りには先ずビールです。が、私はビールを断り、将棋に打ち込みました。お蔭で、トーナメントを勝ち進み、念願の優勝!

今は、賞品に頂戴したカップならぬ、優勝ジョッキで、毎日、日本ビールの晩酌を楽しんでいます。