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搭乗機に置いてきぼりを食った話 - RUSSIA -

No.403/2011.07
石炭ビジネスユニット/ 蔵内 隆文
画:クロイワ カズ

5年前の8月、炭鉱視察のためロシアに出張することになりました。シベリアは猛暑との事前情報でしたが、来てみると大違い。最初の目的地、ヤクート炭田の中心都市・ネリュングリには雪で飛行機が降りられず、ヤクーツクに引き返しました。これが先制パンチでした。

翌朝、再びヤクーツク空港まで来たものの、その日も雪のためフライトはキャンセル。ネリュングリ行きを断念し、急遽次の目的地、モスクワに向かうことにしました。幸い、モスクワ便には空席があり、航空券の変更とチェックインを済ませました。ロビーは大勢の人でごった返しています。別料金を払ってビップラウンジでゆっくり搭乗を待つことにしました。我々の他にも10人ほどの乗客がくつろいでいます。

やがて、搭乗時間が来てビップ専用バスに乗り込みました。バスは広い駐機場をぐるぐる回りますが、搭乗機が見つかりません。バスの運転手はしきりに無線で交信していましたが、突然大声で叫びます。何と! 搭乗機は他の乗客と荷物を載せて離陸。ビップの乗客全員が置いてきぼりを食ったというわけです。

空港ビルに戻って一斉にブーイング。次の便を優先的に割り当てられましたが、荷物が心配です。係員は、中継地で積み替えるので問題ないと言います。

夜遅く、ようやくモスクワの空港に着きました。案の定荷物はありません。今度は荷物が中継地で置いてきぼりにあったのです。着の身着のまま寒々としたホテルに入ると、そのままベッドにダウン!

翌朝、東京本社からの電話で叩き起こされました。

「キミたち、何を遊んどるんだ!」と、上司の怒声。確かに、日本を出てから1週間、殆ど仕事をしていません。それにしても、キツーイお言葉。