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客先訪問で勇気づけられた話 - FRANCE -

No.445/2015.01
化成品・樹脂カンパニー/ 吉田 明正
画:クロイワ カズ

合成ゴムの仕事をしていた4年前のこと。世界の名門、ミッシュランの本社を訪問する機会がありました。

ミッシュランは世界で初めてラジアル・タイヤを世に出したメーカーで1863年の創業。ホテルやレストランの格付けをするミッシュラン・ガイドでも知られています。本社はフランスの中央高地に位置するクレルモン=フェランにあります。この町の人口は14万人。一時は3万人のミッシュラン従業員がいました。今はその半分ですが、れっきとした企業城下町です。

訪問するまでは、堂々たる高層ビルの本社を想像していたのですが、実際は3、4階建のコンパクトな感じのビルで、歴史と伝統を感じさせます。

中に入ると、あちらこちらで目に着くのは、白いタイヤを重ねて顔と手足をつけたような商品キャラクター。名前を「ビバンダム」といいます。Bibendumはラテン語で「すべてを飲み込む」という意味だとか。ガラス片や金属片を飲み込んでもパンクしないラジアル・タイヤにはピッタリのネーミング。このビバンダム、通称ビブ君はミッシュラン・タイヤのイメージ・キャラクターとして世界中に知られています。

仕事を終えて、ミッシュラン社を後にしながら、この会社にどこか親近感を覚えました。理由はすぐに分かりました。宇部興産と共通点が多いのです。創業が19世紀に遡ること、宇部もクレルモン=フェランも同じような規模の企業城下町です。それに、当社のキャラクター「UBE・DOGのロボくん」も、ビブ君同様、自社の製品からできています。自社の製品をヒントにしたイメージ・キャラクターを他には知りません。

初めて訪問した客先に背中を押されているような気がして、何だか勇気が湧いてきました。