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世にも不思議な世界を訪れた話 - TURKEY -

No.457/2016.01
電池材料・ファインビジネスユニット/ 米玉利 明宏
画:クロイワ カズ

前回、エデック・ビジネススクール(フランス)でのMBA留学の内容を紹介しました。今回は休暇の話です。夏の休みとターム終了後の短い休暇を効率よく利用して、留学生たちは友だちと連れだって思い思いの目的地に出かけます。私も貪欲に多くの国を廻りました。その中で最も強い印象を受けたのが、トルコでした。

語学研修で知り合った、トルコ人の友人、ハッサン君の案内で訪れたこの国は、正に世界遺産の宝庫。特に、カッパドキアは世にも不思議な世界でした。中南部の山岳地帯にあるカッパドキア。古くはヒッタイト文明やアケメネス朝ペルシャに遡ります。有史以前、東側のエルジェス山(3,916m)の火山活動で降り積もった火山灰や溶岩が長年の風雨による浸食を受けて見事な奇岩群ができあがりました。気球で上空から見下ろすと、地球上にこんな世界があったのかと驚嘆の一語。

次にイスタンブール。歴史的には、東ローマ帝国とオスマン帝国の首都でした。キリスト教とイスラム教の文明が融合した、非常に魅力的な街。中でも、旧市街にある聖ソフィア教会は、4世紀に東ローマ帝国の初代皇帝、コンスタンチヌスにより建てられ、その後オスマン帝国により4本のミナレット(尖塔)が追加されたという、とてもユニークな寺院。1700年の歴史の重みを感じます。

イスタンブールでは、ハッサン君のアパートに3泊しました。彼は私より10歳近く若いですが、大学卒業後すぐにIT関係の会社を企業したバイタリティの持ち主。彼と2人、カフェでシーシャ(水タバコ)を咥えながら眺めたボスポラス大橋の夕焼けは忘れることができません。彼に限らず、この留学で出来た多くの友人は私の貴重な財産になりました。