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不安な出張がラッキー続きだった話 - CHINA -

No.471/2017.03
電池材料・ファインビジネスユニット/ 山本 夕
画:クロイワ カズ

昨年10月、中国は江蘇省常熟市に出張した時のこと。何時もは上海から駐在員の車で行くのですが、この時は駐在員不在で、地下鉄とバスの一人旅です。常熟市は上海市の北西90km、新技術産業開発区に指定されて交通は至便と言われていますが、何となく不安です。

先ず、地下鉄で虹橋駅まで行き、そこから常熟市行きのバスに乗ります。終点のバスターミナルまで行けば、後はタクシーで目的地まで20分で着くと聞きました。上海から約2時間と予測しましたが、念のため少し早めに出ました。虹橋までは約15分で着き、そこからバスに乗りました。10人ほどの乗客がいましたが、終点だから眠っていても大丈夫だろうとリラックス。バスは1時間余り高速を走った後、一般道に降りました。2人の乗客が運転手に声をかけて、バス停でもない所で降りて行きました。他の乗客も同じように次々と適当に下車して行き、とうとう1人になりました。

「何処まで行くの?」と運転手が聞きます。「ターミナルまで行き、そこからタクシーで此処まで」と、目的地の住所を見せました。それなら此処で降りた方が近いと、半ば強制的に降ろされたものの、ガランとした道路にはタクシーは見当たりません。時折、三輪バイクに箱を載せたような簡易タクシーが近づいてきます。二重の意味で危険な、こうした車には乗りません。辛抱強くタクシーを待ちました。何台か通りかかったタクシーはどれも乗車中。そろそろ焦りを感じた頃、空車が来ました。予定通り客先に着き、仕事もすべて順調でラッキー!


余談ですが、日本を発つ日に私の兄のところに赤ちゃんができて私は叔父さんに、帰国の日に妻の妹に赤ちゃんが生まれ、義理の伯父さんに—。一度に姪が2人もできて、ラッキー!続きの出張でした。