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MBA留学でダンスを踊った話 - SPAIN -

No.472/2017.04
合成ゴム事業部/ 森川 正
画:クロイワ カズ

昨年、スペインのIEビジネススクールにMBA留学しました。IEはヨーロッパではトップクラスの人気大学です。ラテン系のお国柄とあって、とにかく明るいのが特徴。ダイバーシティを重んじる学校でもあり、各国から集まる留学生の個性を大切にします。この大学では、毎年、「カントリー・フェスティバル」と称する大規模な学園祭があります。見どころは国別対抗の「おもてなし・コンテスト」。

日本人留学生は私のクラスは1人ですが、学年には5人。他国に較べると、どうも存在感がイマイチです。此処は派手な演出でみんなを驚かせてやろうと、全員でダンスを披露することにしました。若さを前面に出して、5人がスーツ姿でジャニーズ張りのダンスを踊ります。曲は10年前にヒットした「ファンタスティポ」。毎日、授業が終わると5人が教室に残り、学生時代の部活さながら、ダンスの練習です。1ヵ月以上続きました。何とか自信がついたところで、マドリードの名所を廻って公衆の面前で披露することに—。

街の中央にあるソル広場を皮切りに、レティーロ公園、サッカー場と廻り、最後は王宮の前に来ました。最初は顔から火の出る思いでしたが、此処まで来ると腹が座ります。大勢の観客の前で踊ると、観客も一緒になって踊りだします。終わると、「もう1回」とアンコール! この様子はプロモーション・ビデオの形式で収録され、ウェブ上に公開されるのです。


翌日、普段通りに登校すると、教室が真っ暗。突然、懐中電灯の光を浴びせられ、同時にダンス・コール。財政学の教授と50人ほどの学生の前で「ファンタスティポ」を独演。恥ずかしかったですが、日本人学生の存在感を少しは上げることができたかもしれません。