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送別会でのスピーチに驚いた話 - CHINA -

No.486/2018.06
宇部エクシモ(株)/ 陳 華青
画:クロイワ カズ

私は無錫生まれ、無錫育ちの中国人女性。1997年に来日し、日本語を勉強しました。2003年に無錫に子会社のある宇部エクシモに入社。最初は無錫勤務でした。私の仕事は主に中国向けの市場開拓。ピッタリの仕事です。だけど、中国以外にもよく出張します。

2013年の8月、日本人駐在員のIさんと2人で、マレーシアのペナンに出張した時の話です。上海から広州に飛び、そこでペナン行きの南方航空に乗り換える予定でした。ところが、雷雨がひどく乗り継ぎの便が飛びません。何時間も空港の待合室で過ごした後、フライト・キャンセルのアナウンス。同時に夕食のお弁当が配られました。その夜のホテルは航空会社の手配ですが、荷物が返ってきません。明日、初めてのお客のところに顔を出すのにお化粧くらいしていきたいです。2時間近く待って、返ってきた荷物を持ってホテルに入ったのは夜の11時。フロントは1部屋2人だと言います。見ず知らずの人と一緒に寝るなんてできません。割り増しを払ってシングルを確保。明日の便に間に合うよう、モーニング・コールを頼んで漸くベッドに横になりました。

真夜中に電話。時計は3時です。今寝たばかりなのに何事かと出てみると自分で頼んだモーニング・コールでした。よく確かめなかったのですが、我々のフライトは4時出発だったのです。眠い目をこすりながらお化粧して飛行機に。11時、ペナンに到着。午後1番のアポイントに間に合って何とか仕事を無事終えました。

1年後、Iさんが帰国することになり送別会がありました。Iさんのお別れの挨拶にビックリ! 私に向かってこんなジョークを言ったのです。 「陳さん、あなたと一緒に過ごした広州の夜は一生忘れられません」