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スカンクのオナラは強烈という話 - USA -

No.487/2018.07
ナイロン営業部/ 谷口 佳惟
画:クロイワ カズ

アメリカはミシガン州ノバイに駐在していました。此処には大自然が拡がり、たくさんの野鳥が棲息しています。コマドリ、これはミシガンの州鳥です。ハチドリにグース。それにワイルド・ターキーも見かけました。野生動物もたくさん。小さいものはリス、ウサギから鹿、アライグマ、スカンク、コヨーテ、キツネなど。彼らは平気で自動車道路にも出てきます。車で走っていると、道路を横切ったり、物陰に潜んでいたりするのを見ることがよくあります。とくに、スカンクは危険を察知すると、お尻から強烈な一撃を放つので、遠く離れたところからでも臭いでその存在が分かります。

去年の8月のこと。朝、会社に行こうとガレージに入ると、何やら黒っぽいものがグルグル回っています。よく見ると、小さなスカンクが紙コップを鼻先につけて、後ずさりしながら鼻先のコップを外そうとしているのです。恐らく、近くのゴミ箱を漁っていて紙コップが鼻先にハマってしまったのでしょう。暫らく見ていましたが、同じところを後ろ向きに回るばかりで一向にコップがとれません。少し可哀そうになりました。それに、車の直ぐ横に居るので道を開けてくれないと発車できません。スカンクが疲れて少し動きが鈍ってきたのを見定めて、サッと手を伸ばして紙コップを掴みました。驚いたスカンクは慌てて走りだします。その拍子に紙コップが外れ、自由になったスカンクは繁みに逃げ込みました。

私もホッとして車に乗り込もうとしたときです。鼻がひん曲がりそうな臭いが後ろから襲ってきたのです。直ぐにエンジンをスタート。窓を一杯に開けて道路に飛び出して走ること5分。漸く臭いが薄れてきました。 恩を仇で返されて、もうスカンクに関わるのはコリゴリです。