MENU

歴史探訪と家庭サービスを両立させた話 - TAIWAN -

No.490/2018.10
ファインケミカル営業部/ 山本 夕
画:クロイワ カズ

仕事柄、台湾には何度も出張しましたが、観光のチャンスはなく、「台北101ビル」は下から見上げるだけ。かの有名な「故宮博物院」もホテルのガイドブックを見るだけ。歴史好きの私としては相当ストレスが溜まっていました。折しも、結婚10周年を迎えて妻から記念旅行の提案があり、私のストレス発散も兼ねて、プライベートで台北旅行に出かけることにしました。2016年5月のことです。名目は『錫婚旅行』。

仕事のない旅行は気が楽です。とはいえ、日頃お世話になっている、当社現地法人のK総経理には妻を連れて挨拶に行きました。その後、前から行きたかった故宮博物院を訪ねました。此処は、フランスのルーブル、ロシアのエルミタージュ、アメリカのメトロポリタンと並んで、世界四大博物館の1つに挙げられているとか。それを聞いて、西欧志向の妻も興味津々です。展示されている宝物は、元々北京の故宮博物院(紫禁城)にあったもので、戦火を避けて台北に運び込まれたと言われています。8,000点近くある展示物の目玉は、何と言っても「翠玉白菜」(白菜を模した翡翠細工)と「肉形石」(豚の角煮に似た3層の石に加工を施したもの)です。時代別に並べられた展示物を見た後、最後にお宝の部屋に入りました。が、そこには目的のお宝はありません。残念! どちらも出張展示で留守とのこと。

お目当てのお宝には巡り会えなかったものの、商売の神様を祀る「行天宮」などの名所は見たし、夜市では屋台の食事やかき氷などもトライし、私は満足でした。

妻も上げ膳据え膳の4日間を満喫した様子で、この錫婚旅行は私の家庭サービスでは数少ないヒットの1つになりました。