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アルファ米粉を量産する特殊粉砕機を納入 ~畜産飼料の安定確保、国産米の需要拡大でSDGsに貢献~

2023年4月13日

UBEグループの機械事業の中核会社・UBEマシナリー株式会社(社長:宮内浩典。以下「UBEマシナリー」)はこのほど、デンプンやセルロースを非晶化する特殊粉砕機を、山形県の株式会社アルファテック(社長:駒井進一。以下「アルファテック」)様に納入しました。アルファテック様の非晶化技術「Amorfast®(アモルファスト)」を具現化したもので、山形大学の有機材料システム事業創出センターに設置され、実証実験が始まりました。

デンプンが主成分の米を非晶化すると、アルファ米粉が作られます。この量産化により、畜産飼料の安定確保やコスト低減ができるほか、配合飼料の半分を占める輸入トウモロコシの価格が高騰する中、その代替として期待されます。国産米の需要拡大につながる可能性もあります。

米は炊飯することでアルファ化できますが、Amorfastは水を使わず粉砕するだけのため、炊飯の工程・エネルギー・時間、水を省くことができます。畜産飼料の生産用として飼料メーカーの設備導入需要が期待されますが、そのためには装置の大型化による大量粉砕の実現が不可欠でした。

UBEマシナリーは、鉱物等を粉砕する竪型ローラーミル方式の粉砕機を、主力製品の一つとして1954年から製造しています。この技術を応用した大量生産用の特殊粉砕機の開発を目指すアルファテック様に対し、UBEマシナリーは2020年から協力してきました。山形大学に設置した特殊粉砕機は、1時間あたり35kgの生産量ですが、同様の機構で1時間あたり数十トンまでスケールアップできます。実証実験を経て、従来の機構から画期的に省エネ・低環境負荷となる商業機械の販売を2023年度中に開始する予定です。

Amorfast®(アモルファスト)について
山形大学大学院 有機材料システム研究科 西岡昭博教授が開発した、水を使わずに粉砕のみで、デンプンやセルロースを一瞬で非晶化する独自の技術です。「Amorfast」の名は、非晶化(amorphous)+速い(fast)に由来します。従来の非晶化製造過程にある、非晶化するための水を用いた加熱および、その後の冷却・乾燥が不要なため、省エネかつ低環境負荷の技術です。非晶化は結晶を壊す技術のため、非晶化することにより素材の消化率が高まり、粘弾性や乳化性などの機能も付加できます。飼料用穀物においては、消化率を向上し、原料価格高騰による畜産飼料コストの低減が図れます。食品分野では、米への機能性付加により、小麦代替や米の消費拡大に寄与できます。また、バイオマスの活用においては、化学品を一切使わず、水をはじめ溶媒・分散媒も不要であるため、非晶化処理の廃液や副産物が発生しないエコで低コストなバイオマス前処理が実現し、バイオマスのアップサイクルの普及にも貢献できます。Amorfastは、多方面の社会課題解決に貢献できる技術です。

UBEマシナリーが山形大学有機材料システム事業創出センター内に納入した実証機

UBEマシナリーの概要

名称 UBEマシナリー株式会社
所在地 山口県宇部市大字小串字沖ノ山1980番地
代表 代表取締役社長 宮内浩典
事業内容 ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機、窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵装置、橋梁、水門、鋼構造物、その他産業用機械の製造・販売・サービス及びメンテナンス
資本金 6,700百万円
創業 1914年1月
設立 1999年9月
出資比率 UBE(株)100%
従業員数 1,200人(2023年4月1日現在)

お問い合わせ先

本件に関するお問い合わせ先
  • UBEマシナリー株式会社
  • 総務部
  • TEL:(0836)22-6465
  • 産機企画部
  • TEL:(0836)22-0091