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TCFD

TCFD提言への対応

UBEグループは、2020年4月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しました。気候変動がUBEグループに与える事業リスクと事業機会について評価・分析を進め、事業戦略への反映と情報開示を進めていきます。

TCFD: Task Force on Climate-Related Financial Disclosures

TCFD提言に基づく情報開示

ガバナンス体制

UBEグループでは、地球環境問題に関する課題の把握や対策を講じる地球環境問題対策委員会を設置しています。代表取締役社長が議長を務める経営会議は、地球環境問題対策委員会から審議内容の報告を受け、検討後、適宜指示を行い、継続的に対策の進捗状況を確認しています。また、重要事項については年1回、取締役会に上申・報告をしています。

戦略

気候変動対応による低炭素・脱炭素社会への移行を前提に2030年以降の考えられる姿(シナリオ)を複数検討し、それぞれのシナリオに沿ってUBEグループのリスクおよび機会(チャンス)を分析し、必要とされる戦略を策定しています。本シナリオは、建設資材カンパニーを含むすべての事業部を対象に実施しました。ただし、シナリオ検討結果は、建設資材カンパニーを除くUBEグループとしてまとめたものです。

移行シナリオとして2℃シナリオと4℃シナリオの2つ、物理シナリオを検討・作成しました。それぞれのシナリオにおけるUBEのリスクおよび機会を分析しています。その結果、それぞれのシナリオにおいて、顕在化が想定されるリスクによる影響は免れられないものの、同時に顕在化が想定される機会を取り込むことによって、持続的な企業価値の向上が可能であることを確認しました。

シナリオ分析の前提及び分析の詳細

2℃シナリオ

WEO*1のSDS*2、NPS*3、EPS*4のRTS*5、2DS*6をベースとし、他のリソースも活用し自社シナリオを補強し、検討を行いました。

リスク分析では、カーボンプライシングのシナリオ、石炭価格シナリオおよび代替燃料シナリオ等を検討し、2025年、2040年データから2030年の予測と自家発電の対応シナリオの作成を行いました。機会分析として、電動車や代替燃料へのサポート強化によるそれらの普及率や再生可能エネルギーの増加の予測を行いました。また、プラスチックのリサイクル拡大を支援する政策シナリオや産業界へのCCUS*7導入を支援する政策シナリオによるリスクと機会を分析し当社製品の需要や今後の研究開発案件のシナリオの想定を行いました。それらに加え、2100年までに世界の平均気温上昇を2℃に抑える可能性が少なくとも50%以上を示すエネルギーシステムの道筋とCO2排出経路を参照し、分析を実施しました。

4℃シナリオ

WEO:NPS及び日本のNDC*8やIEA*9の石炭価格シナリオを基に検討しました。

物理シナリオ

IPCC AR5*10におけるRCP8.5シナリオ*11に基づき長期的な視点での気温上昇に伴う、海面上昇・極端な降水・壊滅的な台風等の発生頻度の上昇等からUBEのインフラ設備や社員への影響を想定し、その影響度を検討しました。また工場が立地している地域のハザードマップ等を顧慮し地域の特性を加味しました。

検討ステップ

  • 各事業がどのようになるか、自家発電の操業予測を含めてシナリオごとに検討
  • 各シナリオの結果を基にUBEグループとしての将来を分析
  • 2050年を見据えた、2030年のレジリエンスを有する長期的な戦略を作成

リスク検討結果

  • *1 WEO: 世界経済見通し(World Economic Outlook)
  • *2 SDS: 持続可能な開発シナリオ (Sustainable Development Scenario)
  • *3 NPS: 新政策シナリオ(New Policies Scenario)
  • *4 EPS: 環境政策厳格度(Environmental Policy Stringency)
  • *5 RTS: 参照シナリオ(Reference Technology Scenario)
  • *6 2DS: 2℃シナリオ(2℃ Scenario)
  • *7 CCUS: 二酸化炭素の回収・有効活用・貯留(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
  • *8 NDC: 国が決定する貢献(Nationally Determined Contribution)
  • *9 IEA: 国際エネルギー機関(International Energy Agency)
  • *10 IPCC AR5: 気候変動に関する政府間パネル第5次評価報告書(Intergovernmental Panel on Climate Change Fifth Assessment Report)
  • *11 RCP8.5シナリオ: 代表濃度経路シナリオ(Representative Concentration Pathways 8.5 Scenario)他にRCP2.6、RCP4.5、RCP6.0シナリオがあり、数値が大きいほどGHG排出量が多い。

統合報告書2023 関連ページ

リスク管理

UBEグループでは、リスク管理部を事務局としたリスクマネジメントシステムを構築し、リスクを登録することで一元管理を行っています。各部門や事業部毎に関連するリスクを特定し、それぞれのリスク影響度に応じて重要(重大)リスク、ミドルリスク、マイナーリスクに分類しています。重要(重大)リスクは財務影響が10億円以上としています。経営における重要(重大)なリスクは、経営会議で審議され、具体的な戦略・施策へ反映されます。

気候変動対応は、リスクマネジメントシステムに登録し、管理しています。全社的横断組織となる地球環境問題対策委員会(委員長:環境安全部担当役員)はUBEグループ全体としての気候変動関連の特定されたリスクに対して対策及び取り組み方針等を立案・実施しています。

リスク管理体制の詳細については、UBEグループウェブサイトの「リスクマネジメントの体制」をご参照下さい。

指標と目標

UBEグループは、2022年4月に地球環境問題への取り組み関する2030年度目標を見直し、下記の通り策定しました。

  • 温室効果ガス(GHG)排出量:50%削減
    (2013年度比)
  • 環境貢献型製品・技術の連結売上高比:60%以上

集計範囲: 連結ベース・エネルギー指定管理事業者および海外(タイ・スペイン)主要事業所のScope1&2

詳細については、UBEグループウェブサイトの「地球環境問題」をご参照下さい。

なお、最新のGHG排出量等のデータについては、UBEグループウェブサイトの「地球環境問題」及び「統合報告書 資料編(環境安全・品質保証)pdf」をご参照下さい。